不動産投資には大きな資金が必要で敷居が高いというイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
しかし近年では、少額から始められる不動産投資の選択肢も増えています。
従来の不動産投資では数千万円規模の資金が必要でしたが、不動産クラウドファンディングやREIT（不動産投資信託）などの手法なら数万円から不動産投資を始めることも可能です。
さらに、築古物件やコインパーキングなど、比較的少額で始められる従来型の不動産投資も注目されています。
そこで今回は、少額から始められる不動産投資の種類や特徴などを詳しく解説します。
初めての方でもわかりやすいように紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
小さく始められる不動産投資の種類
小さく始められる不動産投資には、主に次のような種類があります。
・不動産クラウドファンディング
・REIT（不動産投資信託）
・不動産小口化商品
・築古区分マンション
・築古戸建て
・コインパーキング投資
それぞれ詳しく解説します。
不動産クラウドファンディング
不動産クラウドファンディングとは、複数の投資家が少額資金を出し合い、不動産プロジェクトに投資する仕組みです。
1口1万円程度から投資を始められるため、個人投資家でも大規模なプロジェクトに参加できます。
投資対象となる物件の情報はプラットフォーム上で確認でき、運用期間や予定利回りなども明示されています。
完全委託運用となるため、物件の取得や管理の手間から解放されるのも大きなメリットです。
ただし、運用期間中は原則として途中解約ができないため、投資期間を確認したうえで参加する必要はあります。
REIT（不動産投資信託）
REITとは証券取引所に上場している不動産投資信託です。株式と同様に証券会社の口座があれば売買できます。最小投資金額は1口数千円程度です。
投資対象となる不動産は、オフィスビル、商業施設、マンション、物流施設など多岐にわたり、分散投資効果も期待できます。
ただし、上場商品となるので日々の価格変動には注意が必要です。
不動産小口化商品
不動産小口化商品とは、大規模な不動産物件を小さな単位に分割して販売する金融商品です。
一般的に数百万円程度から投資できます。不動産所有権の一部を直接保有できるのも特徴です。
賃料収入だけではなく物件売却時の売却益も期待できます。専門の事業者が物件の管理運営を行うため、物件管理の手間もかかりません。
ただし、契約期間が定められているケースが多く、途中換金が困難です。
契約内容と運用計画を事前に確認してから投資を判断しましょう。
築古区分マンション
築年数が経過した中古マンションへの投資です。
一般的に築20年以上経過した地マンションは相場より安価で購入できる可能性が高くなります。都市部のマンション価格は高騰していますが、少し離れた地域では手頃な価格帯の物件も少なくありません。
購入価格が安いため、家賃収入に対する利回りが高くなる傾向があります。現金払いで購入できる価格なら、ローン審査と金利負担を気にする必要もありません。
ただし、築古物件特有の修繕とメンテナンス費用は必要です。
物件選びの際には、立地条件や建物の管理状態、大規模修繕の履歴などを慎重に確認しましょう。
築古戸建て
築年数が経過した戸建ては比較的安価で購入できることが多く、地方都市や郊外であれば数百万円台からでも探せます。
賃貸物件としての運用だけではなく、リノベーションをして売却益を狙うことも可能です。将来的な土地活用も考えられるでしょう。
ただし、投資をする前には建築士やインスペクターといった専門家による建物の調査が推奨されます。
地域の将来性や需要動向に関するリサーチも欠かせません。
コインパーキング投資
土地の広さや立地にもよりますが、数百万円から数千万円程度の初期投資で始められます。月極駐車場に比べると利用者の回転率が高いので、好立地であれば高収益も期待できます。
土将来的に建物を建てたり、別の用途に転換したりすることも可能です。建物の管理や入居者対応などの手間もなく、機械化された精算システムによって運営も省力化できます。
成功のためには立地選びが極めて重要です。
周辺の道路状況や交通量、競合する駐車場の有無、近隣施設の集客力などを綿密に調査する必要があります。
少額から始められる不動産投資のメリット・デメリット
少額から始められる不動産投資には、下表のようなメリットとデメリットがあります。
| 〇メリット | 〇デメリット |
| ・初期投資を抑えられる ・専門的な知識が不要 ・比較的換金性が高い | ・裁量権が限られる ・手数料や管理費用が発生する ・最低投資額に差がある |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
少額から始められる不動産投資のメリット
少額から始められる不動産投資は初期投資額を抑えられるため、投資に伴うリスクも最小限にできます。
従来の不動産投資では数千万円という大きな資金が必要でしたが、クラウドファンディングやREITは数万円からでも始めることが可能です。
物件の管理や運営は専門家が行うので専門的な知識は不要です。比較的流動性が高く、必要に応じて売却できます。
少額から始められる不動産投資のデメリット
運用方法や売却のタイミングなどは運用会社の判断に委ねられることが多く、自分の意思で投資判断を行う余地が少なくなります。
また、運用会社への手数料や管理費用が発生するので、利回りが低くなる可能性があります。株式市場の影響を受けるREITは、不動産市況に加えて株式市場の動向によっても価格が変動するので注意が必要です。
なお、商品によっては最低投資額が数百万円となるものもあります。一般的な感覚からすると「少額」とは言えません。投資を始める前に、資金力や投資目的に合った商品を慎重に選択する必要もあるでしょう。
まとめ
少額不動産投資は魅力的ですが、デメリットもあります。おすすめと言われる方法でも、投資をする前には情報を集めて慎重に検討しましょう。
