不動産投資に挑戦する人が増えており、手軽に始められる「ほったらかし投資」やワンルームマンション投資にも注目が集まっています。
しかし、不動産投資で借金まみれになってしまい、精神的に追い詰められたり、家族やパートナーとの関係に悪影響を及ぼしたりする人は少なくありません。
そこで今回は、不動産投資で借金まみれになってしまう原因や失敗例などを詳しく紹介します。
借金まみれを回避する方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
不動産投資で借金まみれになる主な原因

不動産投資で借金まみれになる主な原因は下記の4つです。
・購入資金と経費を過小評価した
・収益の見積もりが甘かった
・空室率が想定と違った
・運用コストの見積もり不足
それぞれ詳しく見ていきましょう。
購入資金と経費を過小評価した
不動産投資で成功するためには、投資額と期待される収益のバランスを正確に見極める必要があります。
しかし、多くの投資家がこのバランスを見誤ります。
まず、不動産の購入時に必要な資金や諸経費を過小評価してしまうケースが多いです。
不動産投資では物件価格だけでなく、仲介手数料、登記費用、税金などの初期費用も含めたトータルコストを考慮しなければいけません。
収益の見積もりが甘かった
収益の見積もりが甘いことも問題です。
購入時には高い利回りを期待していても、賃貸需要が低かったり、想定していた賃料が得られなかったりすると、実際の収益が予測を大きく下回ります。
その結果、想定していたキャッシュフローが得られず、資金繰りが悪化して借金まみれになってしまうのです。
空室率が想定と違った
物件が空室になった場合の影響も見逃せません。
多くの投資家は、常に満室であることを前提に収益を計算しがちですが、空室期間が発生することは珍しくありません。
このような場合、家賃収入がゼロになるにもかかわらず、ローン返済や運用コストは発生し続けるので、資金繰りが厳しくなります。
運用コストの見積もり不足
物件の購入後も物件の維持管理費、固定資産税、保険料などが定期的に発生します。このような費用を過小評価すると、キャッシュフローが想定よりも悪化します。
ローンの返済にも支障をきたしてしまうでしょう。
また、金利の変動リスクを考慮せずに変動金利でローンを組んでしまうと、利上げによって毎月の返済額が増える可能性があります。
会社員が陥りがちな不動産投資リスク

会社員の大きなリスクは「収入依存」による投資判断の甘さです。
毎月安定した給与収入があるため、「収益が得られない期間でもなんとかなる」という油断が生まれやすくなります。その結果、リスクの高い物件を過小評価したり、十分なリサーチをせずに投資を始めてしまったりするケースは後を絶ちません。
また、会社員は業務の合間に不動産投資を行うため、「ほったらかし投資」や「手間がかからない投資」を選びがちです。
手間をかけずに資産運用ができるように思えるこれらの投資方法も、実はリスクが伴います。
たとえば、物件の管理や運用を他人任せにした場合、トラブルの発見が遅れて、空室リスクや修繕コストの増大に気づかないまま放置してしまうことがあります。
「ローン審査が通りやすいことへの過信」も大きな問題でしょう。会社員は一般的に安定した収入があるため、金融機関からのローン審査に通りやすい傾向があります。
しかし、この状況が「借りられるだけ借りてしまおう」という誤った考えにつながり、返済困難な状況に追い込まれてしまうのです。
不動産投資で借金まみれになる影響と心理的な負担

不動産投資で借金まみれになると、心理的な影響や実生活への悪影響を及ぼす可能性があります。
ここでは、具体的な例を紹介します。
・うつ病を発症してしまった
・パートナーと別れることになってしまった
・結婚できなくなってしまった
それぞれ詳しく見ていきましょう。
うつ病を発症してしまった
不動産投資で借金まみれになり、うつ病を発症してしまったケースです。
毎日返済のプレッシャーに追われ、眠れない日々が続き、最終的に仕事も辞めざるを得なくなりました。
心身ともに疲弊し、社会から孤立してしまったのです。
回復には長い時間がかかりましたが、幸い家族のサポートがあり、少しずつですが立ち直ることができました。
パートナーと別れることになってしまった
不動産投資の失敗による借金まみれで、長年連れ添ったパートナーと別れることになってしまったケースです。
投資に夢中になるあまり、パートナーとの時間を疎かにし、コミュニケーション不足に陥ってしまいました。
借金が膨らむにつれ二人の関係にも亀裂が入り、最終的には別々の道を歩むことになりました。
投資に走る前の幸せな日々が懐かしいと後悔していたようです。
結婚できなくなってしまった
ある若い方は、不動産投資の失敗で莫大な借金まみれになってしまい、結婚の夢を諦めざるを得なくなりました。
当時付き合っていた方との将来を見据えて投資を始めたのですが、思わぬ失敗で借金が雪だるま式に増えてしまったのです。
結果的に経済的な理由から結婚を断念せざるを得なくなり、恋人との関係も終わってしまいました。
不動産投資で借金まみれにならないための対策

不動産投資で借金まみれにならないためにも、下記のようなポイントを意識しましょう。
・綿密な資金計画を立案する
・投資スタイルを見直す
・物件選びの重要性を再認識する
それぞれ詳しく解説します。
綿密な資金計画を立案する
不動産投資で借金まみれになる最大の原因は資金計画の甘さです。
多くの初心者投資家は、物件購入時の初期費用だけを考え、その後の運営にかかる費用を軽視してしまいます。しかし、これは危険な考え方です。
綿密な資金計画を立てる際には、物件購入費用だけでなく、諸経費、税金、修繕費なども含めて考えましょう。
保険料や税金などの経費も忘れてはいけません。
予期せぬ出費に対する備えも重要です。長期の空室や大規模修繕、家賃の値下げなど、収益に影響を与える可能性のある要因はすべて想定し、それに耐えうる資金的余裕を持ちましょう。
6ヶ月分の経費をカバーできる資金は常に確保しておきたいところです。
さらに、定期的に資金計画を見直し、必要に応じて調整する必要もあります。
投資スタイルを見直す
自分に合った投資スタイルを見つけることも大切です。
多くの初心者投資家は短期的な利益を追求するあまり、リスクの高い投資に手を出してしまいます。しかし、これは借金につながる危険な道です。
代わりに、長期的な視点を持つことをおすすめします。
安定した賃貸収入を得られる物件に投資して徐々に資産を増やしていくほうが、リスクを抑えて着実に成果を上げられます。
自己資金の範囲内で投資を行うことも重要です。無理に借入を増やして投資規模を拡大するのではなく、自分の経済力に見合った投資を心がけましょう。
複数の物件に分散投資することも検討してください。ある物件が不調でも、他の物件でカバーできる可能性が高まります。
物件選びの重要性を再認識する
不動産投資で借金まみれにならないためには、投資に伴うリスクを十分に理解して備えることが不可欠です。
物件選びの段階から慎重に行動しましょう。立地、建物の状態、賃貸需要など、さまざまな角度から物件を評価してください。
安易に「掘り出し物」を求めるのではなく、しっかりとした調査と分析に基づいて判断をすることが将来のリスクを軽減します。
まとめ
不動産投資は安易に手を出すと借金まみれになる恐れがあります。取り返しのつかない事態になるのを避けるためにも慎重に判断しましょう。